生きている間のご相談

遺言

子供がいない夫婦の相続対策

事例 子どもがいない夫婦で、夫が亡くなった後、妻が亡夫の親族から遺産を求められた。
どんなことが起こりうるか 子どもがいない夫婦に相続が発生した場合、相続人となるのは、亡くなった方の配偶者(夫または妻)と亡くなった方の親です。
また、亡くなった方の両親が先に亡くなっている場合は、配偶者と亡くなった方の兄弟姉妹です。
配偶者のみが相続人になるのではないので、義理の親族との間で遺産分割協議などが必要です。
対策 配偶者に財産を相続させる内容の遺言書を作成しておけば、義理の親族からの同意や協力がなくても相続手続きを円滑に進めることができます。
遺言書には、公証人が作成する「公正証書遺言」、ご自身で作成する「自筆証書遺言」などの方式があるので、
作成のコストや手間あるいは遺言内容から作成する方式を選べばよいでしょう。
また、配偶者を受取人にした生命保険を活用して、配偶者に十分な財産を受け取らせる事も検討しましょう。

相続財産の大部分が不動産のケース

事例 生前の遺言は実施していなかった。母の相続発生後、遺産分割協議を行う際に、次男は元々母と同居しており、今後も自宅での居住を継続していきたいと主張し、自宅を次男、預貯金を長男に相続したいと主張したが、長男は法定相続分である50%を主張してトラブルとなった。
どんなことが起こりうるか 不動産が相続財産の大半を占める場合、自宅が相続発生後売却するのであれば、換金したお金を分けることもできますが、相続人が居住しているケースでは売却も難しく、相続トラブルに発展する可能性が高いです。どうしても自宅を相続する相続人の相続割合が多くなり他の相続人に不平等な内容になってしまいます。相続財産の試算、遺言書の作成などの生前対策が不十分であったために起こった事例です。
対策 母が生前に、自宅を次男に、預貯金を長男に相続させるという内容の遺言を残しておけば、次男が困ることはありません。
なおこの場合、それを超える預貯金があれば、長男としてもに自宅分の権利を主張できなくなります。これにより次男は自宅を相続でき居住を継続していくことが可能となります。

自宅が遺産の大きな割合を占める場合

事例 高齢の父の自宅で同居して介護もしたのち相続が発生したところ、きょうだいが遺産分割を求めた。
どんなことが起こりうるか 十分な金融資産がない場合、同居して介護した自宅が分割対象となり、売却が必要になる場合があります。また、それが原因となって、きょうだいの関係が悪化したり、父の遺志が反映されない事もありえます。
対策 ・自宅など分けにくい財産や、価値の低い財産は生前に売却し金融資産にする。

・財産を受け取らせたい人を受取人にして、生命保険をかけておく。

・財産の分け方を書いた遺言書を作成しておく。

・分割の結果、各人の受け取る遺産の額に大小が生じる場合の帳尻合わせの為に、金融資産を残しておく。

・生前に業者などに不動産を買い取ってもらって、事後、賃料を払って住み続けるのも一つの方法です。

同居の嫁の相続権

事例 義父母と同居していた嫁が、夫が早逝した後も子どもたちと同居を継続して介護まで行ったが、義父母の死後、遺産分割に際して夫の兄弟から不動産を明け渡すよう求められた例
どんなことが起こりうるか 嫁は、夫が義父母よりも後に死亡した場合には夫が相続した義父母の遺産を相続しますが、夫が義父母よりも先に死亡した場合には義父母の遺産を相続しません。最近の法改正で、特別寄与料の請求が可能になりましたが、不動産の占有の継続を請求することはできず、引っ越すことになります。
対策 人の寿命は分かりません。子供の配偶者などの相続人でない方の協力を得て生活をする場合には、実体に応じた対策をしておくべきでしょう。具体的には養子縁組や生命保険、遺贈などが考えられます。ご家族の関係や遺産の状況によって対策は異なりますから専門階に相談すべきでしょう。

葬儀や法要は遺産から支払ってもらえるか

事例 香典も辞退して、亡夫の生前の多くの友人の協力得て亡夫を篤く葬った妻が、遺産分割に際して、子どもたちから、葬儀費用や法要にかかった費用は夫人個人が負担すべきだと言われた例
どんなことが起こりうるか 相続税の申告において、葬儀費用等は遺産から控除することが認められていますが、遺産分割において葬儀費用は、相続人の合意が得られなければ「喪主の負担」となり、遺産から控除する(相続人全員の負担)ことにならず、この件では夫人が負担することになりました。
対策 人が亡くなると葬儀費用や法要や墳墓に相当の費用を要しますが、遺産分割においてはその費用は相続人全員の負担にならず喪主の負担となりますから、将来喪主となるべき方に葬儀等に要する費用相当額を受取らせるように、遺言書を作成するか、少なくとも生前に事方を受取人にして生命保険をかけておくとよいでしょう。

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